WotC社の開発部の用語が参考になりすぎる
2013年6月21日 TCG全般
「開発部語辞典・増補版 http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/022995/」これは非常におもしろい記事だった。
大方は、MotCの組織内からMTGのプレーヤーにしか通じないスラング・隠語・専門用語なんだけど、なかには、新しい概念やフレームワークやアーキタイプが示されています。こういった豊かな見識が惜しみなく公開されているのは、本当にすごいことだよ。
人は、言葉ひとつをおぼえるだけで、その新しい概念を容易に使えるようになるものです。
ビジネスの現場でよく言われる「ほう・れん・そう」もそうだし、「PDCA」はそれこそ毎日のように耳する。口にすることは少ないけど「MECE」や「WIIFY」は自分が作成した資料をチェックするときに呪文のようにつぶやく文字通りのマジックワードで、一度覚えてしまえば確実にレベルアップできる。
個人的におもしろいなと思ったのは以下。
仕事をしていると、こういうことがよくあります。理論上の整合性を犠牲にしたほうが、ユーザーにとってはおもしろく直感的になるようなケースです。理屈を優先させようとするのは主にエンジニアタイプの人なんですが、一時間も議論していくと、ユーザーにとって自然な選択に落ち着くものです。これぞまさに「長靴を履いた象問題」。
なにかのプロダクトやサービスを設計(デザイン)するときに大事なのは、そのモノだけにとらわれるんじゃなくて、そのモノを手にした人の生活がどう変わるか考える、ということです。単にデザインというとどうしてもモノに集中しがちなところを、「経験デザイン」と一言加えるだけで視界が広くなるいい言葉ですね。
これも「経験デザイン」に近いですね。単に「ゲーム」というと、ゲームの外にあるおもしろさに目線がいかないから、あえて「超ゲーム」と呼ぶわけですね。
そして一番おもしろかったのはこれ。複雑さの質を理解することで、初心者により優しく上級者により興奮を与えることができるという考え方。めちゃくちゃ参考になりました。
この考え方が、新しいエキスパンションはもちろん、基本セットやモダマスや統率者にも反映されているのかと思うと、その面白さに納得です。基本セットのリミテッドは何度やってもおもしろいし、エルドラージのドラフトにはMOで大枚を払ったし、統率者でEDHにも目覚めました。
これはぜひ仕事でも使ってみよう。
大方は、MotCの組織内からMTGのプレーヤーにしか通じないスラング・隠語・専門用語なんだけど、なかには、新しい概念やフレームワークやアーキタイプが示されています。こういった豊かな見識が惜しみなく公開されているのは、本当にすごいことだよ。
人は、言葉ひとつをおぼえるだけで、その新しい概念を容易に使えるようになるものです。
ビジネスの現場でよく言われる「ほう・れん・そう」もそうだし、「PDCA」はそれこそ毎日のように耳する。口にすることは少ないけど「MECE」や「WIIFY」は自分が作成した資料をチェックするときに呪文のようにつぶやく文字通りのマジックワードで、一度覚えてしまえば確実にレベルアップできる。
個人的におもしろいなと思ったのは以下。
長靴を履いた象問題/Elephant-in-Boots Issue
「新同一性ルールは、新たな長靴を履いた象問題だな」
これは、ゲーム・プレイをよりよくするためにフレイバー的には多少妥協することがある、ということを意味する。この名前はミラディンの時にあらゆる装備品をどんなクリーチャーでも装備できるようにするという決定の際につけられた。ミラディンには〈早足の長靴〉というカードがあって(後の《稲妻のすね当て》である)、これを象が付けられるのかどうかと言う議論に1時間かけたことから来ている。最終的には、どんなクリーチャーもどんな装備品でもできるようにすることでフレイバー的にはおかしなことがおこるけれども、そうすることでゲームはさらに面白くなると判断した。この問題が起こるたびに、我々はそれを思い返すのだ。
仕事をしていると、こういうことがよくあります。理論上の整合性を犠牲にしたほうが、ユーザーにとってはおもしろく直感的になるようなケースです。理屈を優先させようとするのは主にエンジニアタイプの人なんですが、一時間も議論していくと、ユーザーにとって自然な選択に落ち着くものです。これぞまさに「長靴を履いた象問題」。
経験デザイン/Experience Design
「デザインは理解できたから、経験デザインの話に入ろう」
経験デザインとは、そのイベントを取り巻くイベントで起こることを作り上げる作業のことである。例えば、『アヴァシンの帰還』・プレリリースでの《獄庫》が経験デザインの一例である。これはここ数年で開発部が進化してきた部分である。現在のリード・経験デザイナーはデイブ・ガスキン/Dave Guskinである。
なにかのプロダクトやサービスを設計(デザイン)するときに大事なのは、そのモノだけにとらわれるんじゃなくて、そのモノを手にした人の生活がどう変わるか考える、ということです。単にデザインというとどうしてもモノに集中しがちなところを、「経験デザイン」と一言加えるだけで視界が広くなるいい言葉ですね。
超ゲーム/Metagame
「このカードは競技マジックでは使われないかも知れないが、超ゲーム的では有効だ」
この語は一般に使われている「メタゲーム」と異なるので混乱しやすい。開発部内での「メタゲーム」を意味するわけではない(ただし、開発部内でもメタゲームという語を使うことはある)。開発部語の超ゲームは、ゲームをプレイすることそのもの以外でゲームに含まれるあらゆる要素のことである。マジックにおいては、例えばデッキの作成、トレード、対面での議論やソーシャルメディアでの会話、物語を読むこと、などが含まれる。開発部がこの語を使うのは、「ゲーム」の中でかなりの部分が「ゲーム」外にあるという理解が重要だからである。
これも「経験デザイン」に近いですね。単に「ゲーム」というと、ゲームの外にあるおもしろさに目線がいかないから、あえて「超ゲーム」と呼ぶわけですね。
新世界秩序/New World Order
「なぜこれがコモンなんだ? 新世界秩序に反するよ」
これは、アラーラの断片・ブロック中に開発部が策定した新しい理念である。新世界秩序の中核にある考えは、初心者プレイヤーのカードプールにはコモン・カードが多いものなので、コモンを単純化してゲームの入り口を広げ、マジックを学びやすくするというものだ。詳細は、コラム「新世界秩序」を参照のこと。
http://mtg-jp.com/reading/translated/004155/
そして一番おもしろかったのはこれ。複雑さの質を理解することで、初心者により優しく上級者により興奮を与えることができるという考え方。めちゃくちゃ参考になりました。
この考え方が、新しいエキスパンションはもちろん、基本セットやモダマスや統率者にも反映されているのかと思うと、その面白さに納得です。基本セットのリミテッドは何度やってもおもしろいし、エルドラージのドラフトにはMOで大枚を払ったし、統率者でEDHにも目覚めました。
これはぜひ仕事でも使ってみよう。
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