前回(http://sasakill.diarynote.jp/201107052131548883/)からの続き。
仕事の休憩時間に書いているのでどこまでいけるかわかりませんが、書けるところまで書いてみます。
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現在、レガシーの参入障壁となっているカードとして、次の3つが挙げられると思います。
多くのデッキに4枚投入されてしまう強力さ(あるいは、環境的な対策として必須であること)と、古いカードなので手に入れずらいこと。これらの条件が合わさって、いずれも1枚7,000円を超えるような高額カードになってしまい、初心者にはとても手が出なくなってしまっています。まさに参入障壁。
しかし、1番については、環境が改善されつつあります。
具体的には以下。
そもそもFoWが重宝されるのは、1~2ターンで勝負をつける凶悪なコンボデッキやリアニメイトデッキが環境に跋扈している場合で、そうでなければ4枚必須というわけでもないカードです。
環境が改善されたことによってどんどんFoWの相対的な存在価値が減り、最近では青いデッキなのにメインでFoWが0枚のデッキがグランプリ優勝を飾って話題になりました。
一時期は、禁止にしろだとか、再録しろだとか言われていましたが、そのどちらの手段も取らずに、その他のカードのバランスを調整することで、環境を改善に向かわせています。
これってすごいことですよね。
これこそが、プレイヤーもショップもメーカーもみんながうれしいエレガントな解決方法であり、マジック・ザ・ギャザリングというゲームの企画・開発・経営をする場合に目指すべき手法だと思います。
※ちなみに、前回の記事の冒頭に書いていますが、もし自分がマジック・ザ・ギャザリングというゲームの企画・開発・経営をするとしたらどうするか、という目線で書いてます。
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では、レガシーへの参入障壁となっているデュアランと不毛の大地の問題を、禁止や再録という手段をとらずに、その他のカードのバランスを調整することでどう解決しようがあるのか。それについて考えてみたいと思います。
もくじはこんな感じ。
1. 制限カードにする
デュアルランドも不毛の大地も、1枚制限(あるいは変則的に2枚制限とか)にしてみてはどうか、というアイデアです。
これによる需要減でカードの金額が下がり、理論上はこれまでの倍以上のプレーヤーにカードが行き渡るはずです。しかし、すでに購入したり仕入れたりしたプレーヤーやショップには泣いてもらわなければなりません。
これは事実上、禁止や再録という手段と変わらないので、取るべき手段ではないと思っています。
しかしこれに派生して、「不毛の大地」だけを禁止(あるいは制限)するとしたらどうでしょうか?
特殊地形が破壊されづらくなることで、環境の多色化が進むでしょう。
そうなると、フィルターランドにもM10ランドにもミラディンランドにもお声がかかえるようになるかもしれません。
そして次第に、絶対にデュアランでなきゃいけない理由も減って相対的な価値がさがります。
新しく参入するプレーヤーにとっては当然うれしい。
ショップからしてみると在庫の価値が目減りするわけなので一概に歓迎できないかもしれませんが、これまでレガシーで声がかからなかったカードにも需要が生まれ、デメリットと相殺され得るのではないかと思います。
しかしこの場合、心配なのはもっと別のことです。
「不毛の大地」がないレガシー環境は、ビートダウンでもコントロールでも、難なく全ての色が出せます。色によるデッキの特徴や多様性は失われ、色を無視した強力なパッケージの詰め合わせのようなデッキ構築が主流になります。
「石鍛冶パッケージに、ヒムとタルモ入れて、嗜みとしてジェイスを入れて、あと稲妻もいれとくか。あ、あとNOと大祖始も入れてみるか」みたいな。
多色によって環境の多様化が進むのはゲーム環境としていいことですが、行き過ぎた多色化は、全てのカードが無色になってしまうのと同じこと。一部の強力カードしか採用されなくなり、それがカードの高額化を招き、やはり参入障壁の高いつまらない環境になってしまうのではないかと思います。
これって、楽しいのかな。マジックってこんなゲームだったっけ?
「1) 制限カードにする」のまとめ
まず第一に、カードを買ったプレーヤーとショップとの信頼関係を維持するため、禁止のみならず制限という手段も取るべきではない。
そして第二に、行き過ぎた多色環境を抑制する意味でも、特殊地形をいじめるなんらかのカード(不毛の大地? 黄塵地帯? 地盤の際?)の存在は環境に必要不可欠。
(昼休みが終わったのでここで区切り。明日以降につづく)
仕事の休憩時間に書いているのでどこまでいけるかわかりませんが、書けるところまで書いてみます。
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現在、レガシーの参入障壁となっているカードとして、次の3つが挙げられると思います。
1. Force of Will(以下、FoW)
2. デュアルランド10種類(以下、デュアラン)
3. 不毛の大地
多くのデッキに4枚投入されてしまう強力さ(あるいは、環境的な対策として必須であること)と、古いカードなので手に入れずらいこと。これらの条件が合わさって、いずれも1枚7,000円を超えるような高額カードになってしまい、初心者にはとても手が出なくなってしまっています。まさに参入障壁。
しかし、1番については、環境が改善されつつあります。
具体的には以下。
1) コンボデッキへの締め付け(例:「神秘の教示者」を禁止することでANTを弱体化)
2) リアニメイトデッキへの締め付け(例:「トーモッドの墓所」から「ボジューカの沼」までさまざまな墓地対策カードの選択肢の充実)
3) カウンターの充実(例:「精神的つまづき」によって、FoWによらない1~2ターン目の攻防が可能に)
そもそもFoWが重宝されるのは、1~2ターンで勝負をつける凶悪なコンボデッキやリアニメイトデッキが環境に跋扈している場合で、そうでなければ4枚必須というわけでもないカードです。
環境が改善されたことによってどんどんFoWの相対的な存在価値が減り、最近では青いデッキなのにメインでFoWが0枚のデッキがグランプリ優勝を飾って話題になりました。
GPプロビデンスのトップ8デッキには《精神的つまづき》が25枚、《Force of Will》が16枚使われていましたが、優勝したBantはなんと《Force of Will》が0枚でした。
http://www.happymtg.com/column/weekikawa01/2626/
一時期は、禁止にしろだとか、再録しろだとか言われていましたが、そのどちらの手段も取らずに、その他のカードのバランスを調整することで、環境を改善に向かわせています。
これってすごいことですよね。
これこそが、プレイヤーもショップもメーカーもみんながうれしいエレガントな解決方法であり、マジック・ザ・ギャザリングというゲームの企画・開発・経営をする場合に目指すべき手法だと思います。
※ちなみに、前回の記事の冒頭に書いていますが、もし自分がマジック・ザ・ギャザリングというゲームの企画・開発・経営をするとしたらどうするか、という目線で書いてます。
---
では、レガシーへの参入障壁となっているデュアランと不毛の大地の問題を、禁止や再録という手段をとらずに、その他のカードのバランスを調整することでどう解決しようがあるのか。それについて考えてみたいと思います。
もくじはこんな感じ。
1) 制限カードにする
2) 特殊地形をいじめるカードを充実させる
3) 基本地形や単色デッキがより強い環境にする
4) 新しいフォーマットを導入する
1. 制限カードにする
デュアルランドも不毛の大地も、1枚制限(あるいは変則的に2枚制限とか)にしてみてはどうか、というアイデアです。
これによる需要減でカードの金額が下がり、理論上はこれまでの倍以上のプレーヤーにカードが行き渡るはずです。しかし、すでに購入したり仕入れたりしたプレーヤーやショップには泣いてもらわなければなりません。
これは事実上、禁止や再録という手段と変わらないので、取るべき手段ではないと思っています。
しかしこれに派生して、「不毛の大地」だけを禁止(あるいは制限)するとしたらどうでしょうか?
特殊地形が破壊されづらくなることで、環境の多色化が進むでしょう。
そうなると、フィルターランドにもM10ランドにもミラディンランドにもお声がかかえるようになるかもしれません。
そして次第に、絶対にデュアランでなきゃいけない理由も減って相対的な価値がさがります。
新しく参入するプレーヤーにとっては当然うれしい。
ショップからしてみると在庫の価値が目減りするわけなので一概に歓迎できないかもしれませんが、これまでレガシーで声がかからなかったカードにも需要が生まれ、デメリットと相殺され得るのではないかと思います。
しかしこの場合、心配なのはもっと別のことです。
「不毛の大地」がないレガシー環境は、ビートダウンでもコントロールでも、難なく全ての色が出せます。色によるデッキの特徴や多様性は失われ、色を無視した強力なパッケージの詰め合わせのようなデッキ構築が主流になります。
「石鍛冶パッケージに、ヒムとタルモ入れて、嗜みとしてジェイスを入れて、あと稲妻もいれとくか。あ、あとNOと大祖始も入れてみるか」みたいな。
多色によって環境の多様化が進むのはゲーム環境としていいことですが、行き過ぎた多色化は、全てのカードが無色になってしまうのと同じこと。一部の強力カードしか採用されなくなり、それがカードの高額化を招き、やはり参入障壁の高いつまらない環境になってしまうのではないかと思います。
これって、楽しいのかな。マジックってこんなゲームだったっけ?
「1) 制限カードにする」のまとめ
まず第一に、カードを買ったプレーヤーとショップとの信頼関係を維持するため、禁止のみならず制限という手段も取るべきではない。
そして第二に、行き過ぎた多色環境を抑制する意味でも、特殊地形をいじめるなんらかのカード(不毛の大地? 黄塵地帯? 地盤の際?)の存在は環境に必要不可欠。
(昼休みが終わったのでここで区切り。明日以降につづく)
コメント
>参入障壁
これは、現状の販売方法ではどうしても存在するものだと思いますね。
精神的つまづきや殴打頭蓋も今は安いですが、数年後でもつかわれているならば、値上がりしてるでしょう。
「どのセットのパックでも、注文すればいつでも買える」ようにすることで、古いカードがその希少性のために値上がりすることを、再録することなくは防げるように思えます。
しかし、古いカードに希少性が出てくることもMTGの楽しみの1つかもしれませんね。
一方リアルだと、どうしてもそこは制約があるので、それを乗り越えるルール的な工夫(環境の改善の工夫)が必要で、マジックの開発部の人はそういうことも考えて智恵をひねってるんだろうなあ、と思ってます。
スタン落ちしたら安くなってしばらくたったら元より高くなったタルモの例を見るに
ジェイスもそのうち15kくらいまで行っちゃうんでしょうかね…?
供給が増えないので、まずは確実に値上がりし続けるのではないか、と思ってます。
禁止が発表された当日に見た5,000円台の価格がすでになつかしい…。
リンクさせて頂きます。
盛んになったところでWOTCにとって旨味がある話ではないので
制限再録などは正直ありえないと思います
デュアランETCの制限や再録よりも
モダンが紙で正式なフォーマット採用される確率の方が高いのではないでしょうか?
で、私も、結論のひとつが「モダンが紙で正式なフォーマット採用される」だと思ってます。
なんだか、長く書きすぎて、すでに多くの人に結論を先回りされてしまってますのでw 次あたりでやめます。